紀平梨花vsロシア4人。GPファイナル女子はスリリングな展開必至 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 またアリーナ・ザギトワ(ロシア)も、今季は216.06点、217.99点と伸び悩んでいるが、NHK杯のフリーでは、3回転フリップの回転不足のミスはあったものの、151.15点を獲得して復調の気配を見せている。SPでうまく滑り出せば230点台後半まで持ってくる力はある。

 ただ、難度の高いジャンプに挑めば挑むほど、ミスをする確率は上がってくるもの。トゥルソワやコストルナヤの、ミスを引きずらない鋼の精神力には脱帽するばかりだが、ジュニアから上がってきたばかりの3人にとっては、思い切りできていたこれまでの2戦とは違い、ファイナルという大きなタイトルがかかるプレッシャーも出てくるはず。前回優勝の紀平や、五輪と世界選手権優勝のザギトワとの勝負で、どこまで力を発揮しきれるかもカギになりそうだ。

 怖いもの知らずで突っ走るコストルナヤとトゥルソワが頭ひとつ抜けているとはいえ、これまでと違う緊張感の中でミスが出て230点台の戦いになれば、5人のうち誰が優勝してもおかしくない。今回のグランプリファイナルは、ひとつのミスが命取りになるスリリングな展開になりそうだ。

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