紀平梨花、4回転に挑むか「迷っています」。SP2位の演技に手応え (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「コストルナヤ選手が85点を出したのを演技前に見てびっくりして。私もちゃんとノーミスの演技をしないといけないと少し焦ったんですけど、しっかりいい点数が出せたのでよかったです」

 9月のオータムクラシック前に左足首を痛めたことが影響して、まだ3回転ルッツを跳べず、プログラムから外しているため、自身ができる最高の演技構成を組むことができていない。

「いま、コストルナヤ選手とは5、6点開いているので、シーズン後半に向けて3回転ルッツを戻してこられるようにケガを治して、あとは完璧なクリーンなジャンプをしっかり跳べるようになれば、もっと点数が出せると思います。今回は、まだまだ伸びしろがある演技だったので、シーズン後半に向けて修正できるところは修正して、私も世界最高得点に近づけられるように頑張りたいと思います」

 まだ本調子ではない中で、紀平は自分自身を冷静に見つめていた。

 フリーで4回転サルコウという大技に挑戦する可能性については、「今回のSPでしっかり満足のいくいい演技ができたので、4回転サルコウに挑戦する可能性はあると思う。明日の調子の良さとか、ほかのジャンプの調子も確認して、自信のある状態にもっていって、何度か4回転サルコウが決まれば入れると思うので、最後の最後、フリーの練習で最終判断すると思います」と語っていた。

 ただし、23日朝のフリー公式練習では、4回転サルコウを跳ぼうとしていたが、曲かけを含めた練習では1本も跳べなかった。練習後の紀平は言葉少なに「4回転サルコウを跳ぶかは迷っています。思ったような練習はできなかった」と苦笑いを見せ、会場を離れた。

 日本女子としてシニア大会では初となる4回転ジャンプに挑戦するのか、注目が集まる。



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