2019.11.19

五輪女王・ザギトワも必死。
吹き荒れるロシア3人娘の新風

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 また五輪女王のアリーナ・ザギトワは、今季ここまでいまひとつ力を出し切れない状態だ。フランス杯のSPでは最初の連続ジャンプの3回転ルッツがエッジエラーを取られ、3回転ループも回転不足で74.24点の2位発進。フリーでは連続ジャンプの両方を含む、4本のジャンプで回転不足を取られて141.82点。合計216.06点で2位に終わった。

 それでも、スピンやステップはGOE加点をしっかり取って、五輪女王らしい滑りを見せていた。ジャンプのミスも十分に修正可能な範囲だけに、演技構成点とともに得点はまだまだ伸ばせるはずだ。ザギトワがNHK杯でコストルナヤを脅かす滑りができれば、メドベデワと共にシニアデビューの3人の前に立ちはだかる存在になるだろう。

 今季GPシリーズは、シニア1年目のロシア女子3人の新風が吹き荒れているが、ロシア国内の世界選手権代表争いでは、エリザベータ・トゥクタミシェワを含めて、超ハイレベルの争いになることは必至だ。

 一方、ファイナルへ目を向ければ、現時点でファイナル進出が確定しているのはスケートアメリカと中国杯を連勝しているシェルバコワと、スケートカナダとロステレコム杯で優勝したトゥルソワだ。そしてランキングではアメリカ2位、カナダ4位のブレディ・テネル(アメリカ)が3番手に付け、宮原知子も同じ22点ながら合計得点差で4番手という状況。

 NHK杯にはフランス杯優勝のコストルナヤと2位のザギトワ、スケートカナダ2位の紀平梨花が出場する。順当にいけばこの3人が表彰台に乗ると思われ、ファイナルはロシアの4人に加え、紀平とテネルが出場する可能性が高いと言える。

 昨年の3人から出場人数を減らしてしまいそうな日本女子だが、紀平はスケートカナダで230.33点を獲得しているため、もし4位になってもファイナルに進出できる可能性を大きく残しているのが強みだ。

 今シーズンシニアデビューしたロシア3人の登場で、フィギュアスケート女子の争いはさらに激化していきそうだ。

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