2019.11.19

五輪女王・ザギトワも必死。
吹き荒れるロシア3人娘の新風

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 そしてフランス杯のフリーでは、連続ジャンプを含む2本のトリプルアクセルを決めたほぼノーミスの滑りで、159.45点を獲得。合計を236.00点にしている。彼女の強みは演技構成点の高さにある。フランス杯のフリーでは、パフォーマンスの9.07点を筆頭に、他の4項目も8点台後半に乗せ、シニア1シーズン目とは思えない高評価だ。

 昨年のジュニアGPファイナルでは、4回転に挑戦したトゥルソワやシェルバコワを抑えてコストルナヤが優勝している。その時から、シニア選手顔負けの難しいつなぎやしなやかな表現力を見せていただけに、納得できる評価だろう。

 コストルナヤにとって今季GP2戦目となるNHK杯で、評価はある程度固まってくると思われるが、現状ではトゥルソワに迫る240点台を出す力を持っていると言える。

 そんなシニア1年目の3人がいる中で、ロシア勢にとって大きな収穫となったのは、ロステレコム杯で2位のエフゲニア・メドベデワの復調だろう。GPシリーズ初戦のスケートカナダでは、SPは後半の3回転ルッツで転倒して6位と出遅れ、フリーでも巻き返せず209.62点で5位に終わっていた。

 だがロステレコム杯のSPでは、完璧な滑りを見せて76.93点の首位発進。しかも、各要素のGOE加点や演技構成点を伸ばせる余地がある内容だった。また、フリーでは最初の3回転ルッツがエッジエラーと判定されて0.67点の減点になっていたにもかかわらず、合計は225.76点。取りこぼしがなければ230点台に乗せてくる力があることを証明した。

 演技はかつてよりも成熟度が増し、ロシアの観客も大歓声を送って演技後のリンクがぬいぐるみで埋まるほどの人気。今回の結果に自信を持って、かつての"ミス・パーフェクト"の滑りを見せられるようになれば、さらに得点を伸ばせるだろう。

 そうなれば世界選手権などの代表争いに向けても、若い選手たちに「ミスをすれば負ける」というプレッシャーを与え、戦いを有利に持っていくこともできるだろう。