髙橋大輔の心を動かした。失ったものを取り戻す山本草太の不撓不屈 (4ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 一方で優勝した友野は、フリーでショートのミスを巻き返す演技をやってのけた。4回転サルコウ+2回転トーループの連続ジャンプを決めるなど、大きなミスをしなかった。友野は2018年に世界選手権で5位、全日本は2年連続4位、昨シーズンはグランプリシリーズ3位など高いレベルで滑り続けてきた地力を示した。

 しかし山本も戦い続けることで、足掛かりをつかめるはずだ。

 髙橋がこんなメッセージを送っていた。

「全日本は、普通に考えて(自分の)表彰台は難しい。たとえば(山本)草太はケガから復帰してジャンプが安定してきた。もともと滑りのテクニックが高く、必ず(上位に)食い込んでくる」

 10代の山本が完全復活を遂げられるか――。それは、今後の日本男子フィギュア界の躍進をも左右するかもしれない。

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