本田望結も奮闘。フィギュアスケートの次代を担うジュニア女子の争い (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

「アクセル(ジャンプ)は(練習で)近くで跳んでいるのが紀平梨花ちゃんなので。その練習を参考に、自分もこんなジャンプがしたい、と思いながらやっています。トリプルアクセルをちゃんと練習で始めたのは、今年の5月くらい。一回、跳べるようになったんですが、また、跳べなくなってしまって。膝をケガしてしばらくは練習していなかったんですが。前日の練習では、3本中2本、成功しました! 最初は怖かったですが、だんだん怖くなくなってきています。でも、シニアのトップ選手を見ていると、もっと確率を上げないといけないなと。練習では絶対に成功できるようにしたいです」

 河辺はあどけない表情ながら、背筋を凛と伸ばしてこうも続けた。

西日本選手権SPで首位に立った河辺西日本選手権SPで首位に立った河辺「4回転も練習はしています。回転が足りていないですが、両足では立てるようになっていて。トーループも練習していましたが、(今挑戦しているのは)サルコウです」

 世界のフィギュアスケート女子は男子同様、「4回転時代」に突入している。ロシアではアレクサンドラ・トゥルソワが、ジャパンオープンで4本の4回転をすべて着氷。グランプリシリーズ、スケートカナダでは3本の4回転を成功させ、2本のトリプルアクセルを決めた紀平を退け、圧倒的な優勝を遂げた。他にも、同じロシア人のアンナ・シェルバコワがスケートアメリカで、難易度の高い4回転ルッツを2本成功させ、やはり大会を制覇している。

 この事態に、紀平も4回転サルコウに着手。世界中で、挑んでいる選手が増えていると言われる。今後は王座の決め手になるかもしれない。

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