羽生結弦もトゥルソワのジャンプを分析。点数はどこまで伸びる? (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 驚いたのは、その精神力の強さだ。記者会見で話している時はまだ少し恥ずかしそうに話す15歳の口調や表情だが、滑り出すと別人だ。最初の4回転サルコウで転倒しながらも、次の4回転ルッツと、次の4回転トーループ+3回転トーループも高い加点をもらった。

 4回転サルコウの完成度はまだ低いようだが、それを失敗しても4回転ルッツでしっかり立て直せる自信を持っているのだろう。その意味ではまだ底を見せていない状態とも言える。

 そんなトゥルソワと、エキシビションの練習で一緒に4回転トーループを跳んでいた羽生結弦は、彼女の特性をこう見ている。

「トゥルソワ選手はどちらかというと力で跳べるタイプの選手なので、たぶん、体幹もすごく強いだろうし、体のバネはすごくあるのかなという感じは受けました。あとは回転に入るスピードが非常に速いなと思っています。それを自分に生かせるかといったら、ちょっと自分のタイプではないかもしれない。ただそういう強さも、これから高難易度のジャンプをやっていくにあたっては、安定感を上げるためにも必要だとは思う。そういうところをちょっと見ながら一緒に跳んでいました」

 羽生がこう話すように、トゥルソワのエキシビションの演技中の3回転ルッツを跳ぶ直前の開脚ジャンプの高さや、フライングスピンに入る時の動作の雄大さは、全身がバネの塊という印象を受ける。

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