2019.10.30

本田真凜は笑顔で次戦に向かう。
アクシデントを乗り越え手にした自信

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 フリーのジャンプ構成は、本田武史コーチが6分間練習の直前に手直ししたルッツを外した構成に従った。結局、最初の3回転フリップがノットクリアーエッジの判定になり、最後はレイバックスピンの予定をコンビネーションスピンにしてしまったために0点となったが、連続ジャンプを3回転+2回転とダブルアクセル+1オイラー+2回転サルコウにした構成を滑り切り、120.06点を獲得。合計を179.26点にして6位まで順位を上げた。

 演技後の本田は、「今日はアドレナリンの塊のような感じでした」と明るい表情を見せた。

「自分に『万全な状態だ』と言い聞かせて、強い気持ちを持って最初からできた。終わってみれば心配だった体力の部分でも大丈夫だったので、練習してきた貯金がまだ残っているんだなと思えた。得点も去年頑張っていた時よりもよかったので、次はもっと万全に持っていって高い目標を立てられるようにしたい」

 本田は、2週間前の練習でも頭を打って救急車に乗って病院へ行き、脳震とうと診断されていたという。そこから回復した今大会も、事故で救急車に乗ることになり、「人生で何回かしかしないような機会をもうこれで使い切ったなという感じです。自分でもどう対応すればいいかわからなかったけど、今回は本当に、こういう演技ができたのが自信になるのでよかった」と笑顔で語った。

 次の出場は11月8日からの中国杯。まずは体を回復させることが重要だが、演技構成は元に戻していきたいとも言う。

「今回はレベルを落とした構成だったけど、今回の演技でいいイメージができるようになったので、またジュニアの最初のころのように、元気いっぱいの演技を復活できるように頑張りたいと思います。

 今日も滑る前までは『スケートが自分に合っているのかな』とか、『ほかにできることを探さなければいけないかな』などと考えていたけど、今はスケートを突き詰めていきたいと思うようになった。まだトップのレベルではないけど、今回の演技のよかったところを伸ばしていければと思います」

 苦しんだグランプリシリーズの初戦で、本田は次の戦いに向かう勇気と自信を手にした。

関連記事