羽生結弦ら日本勢に影響は?今季ルールと見どころを国際審判員に聞く (4ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「それに対して羽生選手や宇野選手が1つ少ない4回転5本で対抗しようとすると、ちょっと微妙な線が出てきます。4回転を4種類5回跳ぶ選手は、3回転アクセルを2本跳ぶことになります。その連続ジャンプのセカンドジャンプで何を跳ぶかが問題になるわけです。3回転トーループは1本しか跳べない。もう1本が2回転トーループになると得点がガクッと落ちることになるので、そこで3回転ループを跳んでくれば、僅差で演技構成点やGOEの勝負に持ち込めるようになります」

 例:4回転トーループ、4回転トーループ+3回転トーループ、4回転サルコー+3回転ループ、4回転ループ、4回転ルッツまたは4回転フリップ、3回転アクセル、3回転アクセル+1回転オイラー+3回転フリップまたは3回転サルコー

「与えられたルールの中で、最大限工夫して対応していくしかないということになりますが、男子のトップ選手たちがどんなジャンプ構成で今季のフリー演技を披露するのか、楽しみです。宇野選手がセカンドジャンプに3回転ループを入れようとしているのは、戦略の一環と見ていいでしょう。連続ジャンプのセカンドジャンプで3回転トーループの繰り返しはもったいない。だから、できるジャンプの種類を増やして......という流れになっているのです。

 同種類の4回転の連続ジャンプは1回という制限がかかったことで、4回転を多種類跳ぶ選手には、ジャンプの種類を増やさないと対抗できなくなりました。ある意味でジャンプ競争に拍車が掛かってしまったと言えなくもありません。これが、跳べる選手と跳べない選手の差が開き始めた要因にもなっていると思います。その点から言っても、能力が高くないと勝っていけないルールになったのだと思います」






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