髙橋大輔、現役復帰2年目の野望。導かれる次の境地へ蘇り続ける (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 勝負師としての余裕か。割り切ることで、全てを出し切れる。今までも、彼はそうやって急勾配の坂道を上がってきた。

「今なら、フィギュアスケートを好きだと言えます」

今後、髙橋は10月のアイスショーに出演予定という今後、髙橋は10月のアイスショーに出演予定という 昨年12月の全日本選手権を戦ったあと、髙橋は情感を込めて言っている。エゴを捨てる一方、勝負にもこだわる、という異なる境地に入った。悟りの深遠が、彼の表情を和ませる。

「今シーズン出場する大会に関しては、まず全日本を目指してやっていきます。ほかは今のところ、10月のカーニバルオンアイス参加が決まっていて。そのあとはチャレンジシリーズか、(11月の)西日本選手権か。西日本は出場の可能性は高いですが、(全日本含めて)2つか、3つか、そこはまだはっきり言えません」

 彼は明言を避けたが、自ずと道はできるはずだ。

「自分は、決める、というよりも、導かれる、という感じで。周りに支えられて、やってこられたと思っています」

 髙橋は言う、彼が導かれる次の境地とは――。復活2年目は、ロックビートで一歩を踏み出した。

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