今季の宇野昌磨は「表現」にこだわる。
「早く皆さんにお見せしたい」

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 それまでは、どちらかといえば淡々と戦いの場に身を投じていた宇野にとって、初めて勝利への意欲を前面に出して臨んだ世界選手権で、納得のいかない演技となったことは、大きな失望だったに違いない。何かを変えないといけない――そんな考えが湧き起こったからだろう。幼少時から指導を受けてきた山田満知子コーチと樋口美穂子コーチから離れ、競技用のプログラムも初めて著名な振付師に依頼することにしたのが今季だ。

「そんな自分のこれからが楽しみ」と宇野は言う。

「今シーズンの目標は、正直、あまり考えていません。SPとフリーのプログラムをすごくいいものにして、一刻も早く皆さんにお見せしたい気持ちがあります。今季はあまり順位や点数にこだわっていなくて、昨季はこだわったジャンプにもこだわっていません。それ以上に、今季は表現をお見せしたいと思っています」

 今季の宇野が"魅せるプログラム"でどんな戦いを見せてくれるのか、楽しみだ。


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