本田真凜は自分を鍛え直す。出場試合を増やし「強くなりたい」 (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 日本スケート連盟の強化選手からいったんは外されたものの、7月24日の理事会で強化選手Aに復帰。そんな彼女が奮起してどんな成長を見せるのか、注目度は高い。

「練習でうまくいっていないから試合でも駄目だった昨季でしたが、今季は昨季より練習でもうまくいっているので、それを試合で出せるようにして、大きな試合でしっかり発揮できるように、いろいろな試合に出て鍛えていきたいと思います」

 出場試合数を増やすという取り組みが功を奏すかどうかは本人次第だが、やはり課題のジャンプを見てくれるコーチが近くにいる必要がある。そこで頼ったのが、髙橋大輔や宇野昌磨のジャンプコーチでもある本田武史コーチだった。報道陣に公開された7月15日のシニア強化合宿の氷上練習時では、リンクのそばで本田氏からアドバイスをもらう真凜の姿が見られた。

「8月の真ん中くらいまで日本で練習しますが、日本にいる期間は本田武史先生に習っていきます。(昨季は)日本にいる間、いつもコーチなしで練習環境があまりよくなかったんですけど、今は朝6時くらいから関大(のリンク)で滑っていて、いい練習もできていますし、サポートしていただけています。今後の拠点は、アメリカと半々ぐらいになると思います」

 メインコーチは変わらずにアルトゥニアンコーチだが、本田コーチが見る機会が増えることは間違いないようだ。なぜ、本田コーチにジャンプを見てもらうことにしたのか。それは彼女自身が、課題克服には第三者の目が必要だと思ったからだ。

「ジャンプの跳び方をラファエルコーチに習っているなかで、日本にいる間に、自分の(以前の)跳び方にちょっと戻りかけてしまうことがありました。アメリカに帰ってジャンプを直して、日本に来てまたちょっと元に戻ってしまって、またアメリカで直して......ということを繰り返していたんじゃないかなと思ったので、武史先生にお願いしました。同じ言語というのもありますし、すごくわかりやすいし、いま自分がどうなったら跳べないとか、どうなったら跳べるということも伝えながら、今年は半分くらい、見てもらえるようになるんじゃないかなと思っています」

 一方で、多くの試合に出場するということは、それだけの体力と忍耐力が必要になる。一昨季の五輪シーズン、平昌五輪代表になった坂本花織が、10試合近くの試合に出場することで自らを磨き、試合でのメンタルコントロールができるようになったのは記憶に新しいところだ。

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