羽生結弦の今季、五輪後はフワフワ。チェンに敗れて再び火が灯った (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 結果は278.42点での優勝となったが、ケガの代償は大きかった。

 それから4カ月の-準備期間を経て迎えた3月の世界選手権。羽生はロシア大会でできるはずだったSPとフリーの完全パッケージを成し遂げることと、全米選手権ですばらしい演技を見せたネイサン・チェン(アメリカ)に勝利することを目標にして臨んだ。足首の状態はまだ痛み止めを服用しなければいけない状態だったが、仕上がりには自信を持っていた。

 そんな気持ちの高ぶりが結果的にはやや悪い方向に出てしまい、SPでは自信を持っていた4回転サルコウがパンクという思わぬミスで3位発進となった。そしてフリーでも4回転サルコウ以外はノーミスの滑りをしたが、SPに続いて隙を見せない滑りをしたチェンに22.45点差という大差で敗れる結果になった。

 出場したのは4戦のみで、消化不良とも言える結果に終わった羽生の2018-2019シーズン。最後の敗戦は彼にとって、「さらに強くなりたい」という気持ちを再び大きく燃え上がらせる大きな起爆剤になったと言える。羽生はこれから、新たな目標を超えていく道を驀進するはずだ。

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