2019.03.19

世界選手権は三つ巴。
羽生結弦は今季最高得点をたたき出せるか

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 羽生はプレッシャーがかかる時にこそ集中力をいつも以上に発揮し、持っている力を最大限発揮できる選手。SPでどれだけチェンや宇野にプレッシャーをかける演技ができるのかが、大きな見どころになる。

 宇野は今季、”優勝”をしっかり意識して試合に臨んでいる。そんな気持ちが前面に出たのが2月の四大陸選手権だった。年末の全日本選手権で負傷した右足首捻挫の状態はかなり悪く、年明けにも練習で2度の捻挫をしてしまい、十分な状態ではなかった。

 そのため、SPはジャンプのレベルを落として4回転トーループ+3回転トーループを3回転サルコウ+3回転トーループにして臨んだが、昨年の世界選手権と同じようにレベルを落としたジャンプでミスをして、91.76点で4位発進になった。

 フリーは4回転を3種類4本から2種類3本にする構成にしながら、ミスは後半の3連続ジャンプだけに抑えて今季自己最高の197.36点を獲得。合計も今季最高の289.12点にしてシニア国際選手権大会での初優勝を果たす強さを見せた。

 捻挫の状態がよくなり、今季苦しんでいた4回転トーループの回り過ぎを克服できるようになれば、SPでは今季自己最高の104.15点をまだ3~4点伸ばせるだろう。フリーは、4回転サルコウと4回転フリップをきっちり跳んでノーミスの演技をすれば210点に迫る得点を出せるはずだ。

 大舞台で結果を出す経験値という点では、羽生が群を抜いているが、チェンも昨年の世界選手権のフリーでは、最終滑走ながらも4種類6本の4回転ジャンプを降りて初優勝する強さを見せた。宇野も今回の世界選手権は2年連続の出場となり、平昌五輪も2位の実績があるうえ、今季は頂点を狙う高い意識を持っている。三つ巴のハイレベルな戦いが繰り広げられそうだ。

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