日本男子フィギュア・ジュニア勢で羽生結弦に迫る選手は出てくるか? (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 Text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 全日本選手権の5~8位にジュニアの選手が入る結果となったが、今回12位にとどまった中3の佐藤駿も注目選手のひとりだ。今季はジュニアGPシリーズに出場できなかったが、全日本ジュニアではフリーで4回転トーループを2本跳び、後半にトリプルアクセルを2本入れるシニア並みの構成で挑んで総合2位になっていた。来シーズンはまずジュニアGP出場を目標にしており、そこでしっかり勝負できる力は持っているだけに、将来が楽しみな存在だ。

 日本スケート連盟の小林芳子フィギュアスケート強化部長は、「女子に比べて男子は成長に時間がかかるが、宇野選手が4回転トーループとトリプルアクセルを同じシーズンに跳べるようになって一気に成績を上げたように、男子の場合は体ができてくればまだまだ伸びる可能性を持っている」と話す。

 そんな躍進のシーズンがまもなくやってきそうな予兆を感じさせるのが今季だ。しかも高2から中3までの選手が塊になって伸びてきている。そのうちふたりが4回転を試合で跳べるようになったことで、他の選手の意識も高くなっている。今季のシニア勢は羽生と宇野以外は得点的にもやや低迷しているだけに、ジュニア勢の台頭がさらに加速すれば大きな刺激になり、日本男子フィギュアスケートがレベルアップしていく原動力になるはずだ。

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