2018.12.29

全日本2位の髙橋大輔は、ソチ五輪後に自らの現役復帰を予言していた

  • 折山淑美●取材・文 Text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「ミニマムスコア(世界選手権に出る権利を得られるSPとフリーの技術点の最低点)を取りに行けば選出してもらえるので、行きたい気持ちはやまやまだったが、まだ自分に世界と戦う覚悟ができていなかったのが大きな理由です。現役復帰を決めて練習を始めたのも遅く、全日本でどこまでいけるかも想像できていない状態で、世界選手権は頭になかった。世界で戦うことの難しさや、精神力が必要なことは実際に経験しているからわかっているが、それを持てていない以上は出るべきではない。世界選手権で経験できることもいっぱいあるので、まだ先がある若い選手や、今日本を引っ張っている選手がその経験を積むことの方が、日本のフィギュア(のレベル)をもっと上げていくためには必要だと思って辞退しました」

現役続行を表明した髙橋大輔。来季へ期待がふくらむ 今年のNHK杯で、髙橋は1歳年下のセルゲイ・ボロノフ(ロシア)がSPとフリーで4回転トーループを1本ずつ跳んでいる姿に勇気をもらったという。もしも、髙橋が全日本のフリーで4回転トーループをきれいに決めていたら、世界選手権代表を辞退するという考えは少し変わっていたかもしれない。また、現役続行に関してはSPの後でこう話していた。

「やっぱり試合っていいなと感じた。自分の力を出し尽くす戦いをする場所というのは、居心地がいいというか、できれば長くやっていきたいなとも思う。この場所にとどまっていたい気持ちが強くなってきている。僕自身、これから長く現役をやれるわけではないし、あと何年やるのかもわからないけど、本当に時間も回数も少ないので、良くも悪くても精いっぱい試合を楽しみたいという気持ちは人一倍持ってやっています」

 そして大会後、髙橋は今季残りの試合出場はないが、あらためて現役続行の意向を示した。目指していた「スッキリ終わる」ことができなかったからこそ、「今度は絶対に4回転をきれいに決めてやる」と思っているはずだ。4回転を跳ばない構成で全日本2位になった髙橋には、まだまだ伸びしろがある。来シーズン、4回転を跳ぶようになった髙橋大輔が戻ってくる楽しみも出てきた。もちろん、そのときは世界の舞台で戦うことも視野に入れているはずだ。

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