低迷する本田真凜の現在地。
「心と技術がぴたっとはまる」のはいつか

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 新しい練習環境で心を入れ替えてスケートに取り組んできたようだが、結論から言うと、2大会連続で自分が思うような演技も結果も見せることができなかった。プログラムを滑るという観点からみると、表現面の向上も見受けられた。だが、ジャンプの回転不足は勝負においては致命的で、明らかにジャンプ力が低く、回転軸もあやふやで、しっかり回転ができていなかった。

 52.75点の18位と出遅れたSP後には、がっくりと肩を落とし、沈んだ顔つきでこう振り返った。

「満足いくような練習をしてきたけど、今回の演技は残念な結果になりました。試合前から不安がすごくあった。みんなは試合になると気持ちが強いなと思うんですけど、自分はそこが足りないところで、うまく自分の気持ちと技術の部分でかみ合うようにしていかなければいけないと思っています。

 ジュニア時代は思いどおりにうまくいっていたんですけど、シニアに上がってからは、なかなかうまくいかないことが多くなっています。(そんな自分を変えようと)自分がスケートと向き合うために、選んだ道で環境を変えましたが、なかなかうまく行かないことがまだ多いかなと思うんですけど、自分が選んだ道を信じて頑張っていきたいです」

 挽回を期して、「応援して期待してくれるお客さんに応えようと楽しんで演技したい」と臨んだフリーだったが、SPと同様にミスを重ねた。プログラム後半のジャンプで回転不足が続出し、3回転フリップではエッジ不明瞭の判定を受けて得点が伸びなかった。フリーも111.48点と低迷して15位。合計164.23点の総合15位に沈んだ。

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