紀平梨花が首位発進。超新星の登場に女王ザギトワは不機嫌な顔

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 グランプリ(GP)ファイナル初出場ながら、ショートプログラム(SP)で堂々とした完璧な演技を披露した16歳の紀平梨花が、82.51点の今季世界最高得点をたたき出して首位発進した。80点台をマークしたのは紀平唯ひとりで、得点源である武器のトリプルアクセルをSPで成功させて、技術点で47.36点の高得点を出した。

80点超で首位発進の紀平梨花80点超で首位発進の紀平梨花「今日の(SP)演技はすごく落ち着いてできたし、すごくいい点数がもらえて本当にうれしい気持ちです。リンクに立ったときは大舞台だからと意識しないで、いかに集中して完璧に滑るかということだけを考えましたし、とくに緊張することなく、いい状態で滑ることができたと思います。

 得点は、想像以上の点数が出て本当にうれしいし、これからこの点数を見て、伸びしろがあるかどうかを、ジャッジスコアで確認して、どこを伸ばしたらいいかをまた確認していきたいです」

 今回の結果はあくまでも通過点。それほど大喜びするものでもないと言わんばかりに浮かれた様子は微塵もなかった。

 自分の演技やジャンプを分析して、課題や反省点をしっかりと落とし込んだ練習ができる才能の持ち主で、強敵ロシア勢に尻込みすることもなく、今大会期間中の練習でも自分の調子を見極めて、SP当日朝の練習でトリプルアクセルの調整に余念がなかった。

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