研究熱心な16歳。紀平梨花が打倒ロシア勢の一番手に名乗り (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 トリプルアクセルのタイミングが悪かったので、何回も何回も動画で確認して、夜もイメージしながら寝ました。こんなに最後まで集中できたのは初めてだった。今日の演技は98点!」

 16歳らしい言い方で喜びを表現するが、フィギュアスケートの、とくにトリプルアクセルに関する研究や分析は大人顔負けだ。コーチの意見やアドバイスを参考にしながらも、最後は自分が感じたことや考えたことをきちんと融合させて答えを導くという。

 フリーと合計で今季世界2位のハイスコアを出したことで、これまで女子フィギュアを席巻してきたロシア勢とトップ争いができる選手として、一気にその名を知らしめたといっても過言ではない。

「演技が終わった時もそんなに(得点が)出るとは思っていなくて、結構ステップもスピンもいい点数が出ていて、ほぼ最高の演技ができたので、まだ信じられない感じなんですけど、あんなにも心からうれしい気持ちになったのは初めてでした。ガッツポーズをせずにはいられなくて、自然に出た感じです。今日は濱田(美栄)コーチからは、『闘争心を燃やしたほうがいい』と言われ、いままでにないくらい集中したので、あまり笑顔が少なかったかなと思います(笑)。

 今大会は本当にいろいろな経験をさせてもらい、自分の中で一生に残る演技ができたので、これからも必ずいい演技を続けられるように、満足しないで練習に取り組んでいきたいです」

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る