トリプルアクセルの申し子・紀平梨花デビュー。日本女子が表彰台独占か (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha photo by Naoki Morita/AFLO SPORTS

 公式練習の曲かけでも、スピードの乗った力強いジャンプを随所に見せた。コツコツと生真面目な宮原らしく、修正中のジャンプに少しずつ変化が現れ始めたことは間違いない。ジャンプ以外のステップとスピンではしっかりと滑り込んできた成果が演技に出ており、練習ではショートプログラム(SP)『小雀に捧げる曲』とフリー『ブエノスアイレスの冬』ともにノーミス演技をしてみせた。

 とくにフリーは、音と動きがピタリと合っていて、曲をしっかりと表現。今大会はSPもフリーも衣装を新調したそうで、そこもひとつの見どころだろう。

「振付師と衣装の方のアイデアを取り入れて作っていただきました。今回、フリーもSPも新しい衣装になりますけど、テーマとしては、SPはちょっとムービースターの感じで、キラキラしたドレープの衣装でおしゃれな小粋なイメージを出していて、フリーはタンゴなので、少し斜めの長めのセクシーさを出した衣装にしています」

 その宮原と同門で、妹弟子にあたる紀平が、いよいよGPデビューする。NHK杯では、武器の大技トリプルアクセルをSPで1本、フリーで2本の計3本跳ぶ予定。目指す演技が強豪シニア勢にどこまで通用するのかに注目が集まる。

「完璧な演技をしてトリプルアクセルを決められたらいいなと思います。NHK杯まで、トリプルアクセルと他のジャンプの安定感を出せるように跳ぶことを意識して練習してきました。それと、スピンのレベルを取りこぼさないようにしっかり練習してきました。公式練習でも調子はいいので、トリプルアクセルをしっかり決められるように、調子のよさを保って試合に向けてしっかり頑張りたいと思います」

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