無敵の女王ザギトワ。2つの課題を克服すれば五輪連覇も見えてくる (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 五輪後に身長が7センチも伸びた。思春期を迎えて今後は体重調整のコントロールも厳しさを増すはずだ。彼女にとっては、今後もいまのようなスタイルを保てるかどうかが、最重要課題になるに違いない。記者会見で「試合前に私は基本的に何も食べない。食べてもチョコくらいです」と明かしたように、厳しい食事制限も課しているようだ。

 また、ジャンプもスピンもステップも、ひとつひとつの技は正確できれいなザギトワだが、どこか機械的な動きに見えてしまう部分もあり、あえてもうひとつの課題を挙げるとするなら、プログラムをどう表現するかではないだろうか。

 その意味で、今季のプログラムはまだ成熟していない彼女が背伸びをして取り組む内容になっている。試合を重ねるごとに、どんな演技を見せてくれるのか楽しみだ。負けず嫌いな一面を持ち、おとなしそうな外見とは違って強い自立心も見受けられるザギトワ。いずれにせよ、そんな彼女が今季もトップ争いの中心選手として注目を集めることになるだろう。

 19歳で迎える2022年北京五輪は年齢的にも脂が乗っているはず。ケガもなく順調にいけば、五輪連覇も夢物語ではない。これからこの突出した実力者がどこまで成長していくのか、興味は尽きない。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る