宇野昌磨は自分に厳しい。「足りないところしか見つからない」 (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha photo by Yusuke Nakanishi/AFLO SPORT

 ジャンプでミスはあったものの、早いテンポの曲調に合わせた切れ味鋭いステップと高速スピンで魅了するなど、全体的な仕上がりは上々だった。このオフシーズンは、五輪銀メダリストとしての自覚と責任を感じながらアイスショーに取り組んできたという。

「シーズンに向けて、特別に何かをやっているわけではないですが、いろんなアイスショーに出させていただいた今年は、アイスショーに対する気持ちが今までとは少し変わっていました。これまで(考えていたの)はいろいろなものに挑戦する自分のことだけでしたが、お客さんに少しでも楽しんでもらいたいという気持ちの変化があり、それがスケーティングや細かいところに表れたのではないかと思います」

 今季は大幅にルールが変更され、男子はフリーの試合時間が4分半から4分に短縮、ジャンプ数も8本から7本に減るなど、昨季までとは違ったプログラムの対応を迫られる。どれだけ滑り込んでシーズンを迎えられるかが重要になりそうだ。

「できる限りのことをしたうえで、しっかりプログラムを完成させてシーズンの初戦を迎えるようにしたい。初戦から全力を出して、そこで見つかった課題をまた次の試合につなげていけたらいいなと思います」

 厳しい自己評価を口にしていた宇野だが、演技やジャンプの質を上げるためには、「練習あるのみ」と意気込みを見せた。「昨季よりもジャンプの成功率や質は少なからず上がっていると思うので、まだまだですけれども、シーズンを通していいものができるように頑張ります」と、手応えも掴んでいる。

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