樋口、宮原が得た3枠をめぐり、
来季の日本女子フィギュアは競争激化

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi能登直●撮影 photo by Noto Sunao

2位の樋口新葉(写真左)と3位の宮原知子(右)2位の樋口新葉(写真左)と3位の宮原知子(右) 来年日本で開催される世界選手権での出場3枠獲得のために、失敗が許されない日本女子のふたり、宮原知子樋口新葉は、ミラノで開催された今年の世界選手権で粘りの滑りを見せた。

 宮原は、ショートプログラム(SP)最初の3回転ルッツ+3回転トーループは回転不足でGOE(出来ばえ点)0.80点減点となったが「他のところでは絶対に加点をもらえるようにしようと頑張った」と、演技構成点5項目すべてで9点台を獲得。平昌で出した自己最高得点に1.58点及ばないものの、74.36点で3位発進となった。

 また、現地で動きの良さを見せていた樋口は、SP前半は余裕さえ感じさせる滑り出し。後半最初の3回転ルッツ+3回転トーループで転倒するミスが出たが、その後は3回転フリップのノットクリアエッジの減点だけにとどめて、65.89点で8位と踏ん張った。

 そして、現地時間23日のフリーは、SPトップの地元イタリアのカロリーナ・コストナー、SP2位で平昌五輪優勝のアリーナ・ザギトワ(ロシア)ら、ライバルとの激しい争いが予想されるなか、競技が始まった。

 第3グループ最終滑走の樋口は、苦手にしている3回転サルコウを最初に組み込む構成。「最初のサルコウだけは緊張して跳んだけれど、3回転+3回転が終わったあとのジャンプは、本当に落ち着いて息を整えて跳んだ」という樋口は、自信あふれる演技を披露した。すべてのジャンプを完璧に決めるとノーミスの演技でシーズン最終戦を締めくくった。

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