日本女子フィギュア、「おそロシア」の壁を実感も4年後へ光は見えた (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA/Noto Sunao

 一方、坂本花織は前走のカロリーナ・コストナー(イタリア)が、細かなミスをしながらも139.29点を出して合計を212・44点にした滑りを見ていた。

「最終グループで滑るとは思っていなかったので、いつも以上に緊張しました。その上、コストナー選手の次だったので『ヤバイな』と思って......」

 だが、そう言いながらも、いざ始まると滑り出しからゆったりした曲調に合わせるように、大きくメリハリのある滑りを見せた。

 終盤の3回転ループは「腰が前に行き過ぎたので『危ない!』と思って逆に戻したら、ちょっと回転が足りなくなってしまった。何か空中でバラバラになるジャンプだった」とステップアウトになるミス。

 その他にも3回転ルッツはロングエッジと評価されてGOEを減点されたが、団体戦よりは4点強高い136.53点を獲得。合計を209.71点にした。

 今季からシニアに参戦し、その序盤のUSインターナショナルクラシックとロシア杯では、シニアの壁の厚さを見せつけられて自信を喪失しかけた。それでも、スケートアメリカの2位から勢いに乗り、平昌五輪代表をつかんだ。そのあとの四大陸選手権では初優勝と勢いに乗っていた。

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