「ノーミスが当然」レベルの女子。宮原、坂本ら4人が表彰台を争う (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha photo by JMPA/Noto Sunao

 ザギトワとの差は1.31点。技術力のザギトワに対し、演技力のメドベデワがフリーで逆転するには、パッションのある演技を完璧に行なうことが必要になる。

 シニアデビューからずっと女王に君臨してきたメドベデワは、「今日の演技は、団体戦よりもよかったですが、連続ジャンプがもっとよければ、もっと高得点になっていたでしょう。私はメダルについて考えないようにしています。私のメインゴールはフリーで完璧な演技をすること。そして自分のパフォーマンスに満足できることです」と、静かに闘志を燃やす。

自己最高点をマークしてSP4位につけた宮原知子自己最高点をマークしてSP4位につけた宮原知子 この2人のどちらかが五輪女王の座につく可能性はきわめて高いが、表彰台争いは3位のケイトリン・オズモンド(カナダ)から6位のカロリーナ・コストナー(イタリア)までの4人の間で繰り広げられることになりそうだ。このSPは、首位のザギトワから5位の坂本花織までが自己ベストを更新するなど、極めてハイレベルな戦いだったことは特筆すべきだろう。

 先日の団体戦では回転不足を取られて得点が伸び悩み、再調整をしてきた宮原知子は、個人戦のSPでは力強いジャンプを3つとも成功させて、自己最高点となる75.94点をマークした。課題だった回転不足はひとつも取られず、2016年のGPファイナルで記録した74.65点を1.29点上回る得点で4位につけた。

「やっと75点が出たという気持ちです。点数待ちのときは70点台が出てくれと願いながら待っていました。公式練習ではみんな気合が入っているのを感じましたので、自分も負けないようにと思っていました。もちろん、できれば表彰台に立てれば一番嬉しいですけど、でもそれよりも、いままで頑張ってきた、努力してきたことを全て出したいと思います」

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