「ノーミスが当然」レベルの女子。宮原、坂本ら4人が表彰台を争う

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha photo by JMPA/Noto Sunao

 平昌五輪フィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)は、まれに見るハイレベルな戦いが繰り広げられた。メダル争いに加わる上位勢のほとんどがノーミス演技を見せたなか、金メダルを狙うロシア勢2人が驚異の高得点を叩き出し、歴代世界最高得点が2度も塗り替えられたほどだ。そして表彰台を目指す日本勢2人もパーフェクト演技を披露して、フリー演技の出来次第ではメダル獲得の可能性を残した。

世界最高得点でSP首位となったアリーナ・ザギトワ(個人資格/ロシア)世界最高得点でSP首位となったアリーナ・ザギトワ(個人資格/ロシア) 21日、江陵アイスアリーナで行なわれた女子SPは、ロシア出身の五輪選手(OAR)として出場した15歳のアリーナ・ザギトワが歴代世界最高得点となる82.92点を出して首位に立った。先に滑り終えていた世界選手権2連覇中のエフゲニア・メドベデワ(OAR)も、自らの記録を塗り替える歴代世界最高得点の81.61点をマークしていたが、その20分後に妹分のザギトワが世界記録を打ち立てた。

 試合後のザギトワは、手応えと、フリーへ向けての課題を挙げた。

「得点を見たときはとても嬉しかったですが、そんな高い得点が出るとは予期していませんでした。いま、私の名前が世界記録として刻まれます。

 得点を見れば、スケート人生の最高のパフォーマンスと言えますが、まだ成長する伸びしろがあります。ジャンプに入るスピードをもっと上げることができるし、もっと着氷が流れるようにできるはずです。そして、もっと感情を込めるようにしなければいけません」

 一方のメドベデワは、昨年11月のNHK杯後、右足中足骨の骨折がわかって一時戦列を離れ、休養を余儀なくされた。GPファイナルと国内大会のロシア選手権を欠場。競技復帰は今年1月の欧州選手権だった。復帰戦となったその大会では新星ザギトワに敗れており、今回の五輪ではなんとしても世界女王の意地を見せたいところだ。

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