宇野昌磨、あっけらかんと銀メダル。早くも「頂点への課題」を挙げる (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha photo by JMPA/Noto Sunao

 もちろん(羽生選手に)勝ちたい気持ちはありましたけれども、あれだけの演技を見た後に、やはり僕もそれ以上の完璧な演技をしなければ上に立つことはできないと思いながら試合に挑みました。ですが、1個目のジャンプを失敗した時点で、もうあとは自分のことを考えようと思いました」

 羽生を追い越すことはできなかったが、SP2位の元世界王者・ハビエル・フェルナンデスには1.66点差をつけて逆転した。66年ぶりの五輪連覇を達成した羽生とのワンツーフィニッシュを飾った宇野は、勝てるチャンスを掴み損ねたものの、満足感が残っているという。

「最初から最後まで自分に負けることなくいい演技だったかな。ただ、練習してきた中での演技としてはあまりよくないほうではあるので、もっといい演技ができるようにして、ジャンプを、ただ跳ぶことだけではなく、加点のつくジャンプを跳ぶことが僕には足りないなと思ったので、今後はそこを頑張りたいなと思いました」

 試合後の宇野はもうすでに次なる課題と目標を見据えていた。そして、その課題を克服したときこそ、宇野は"万年2位"を卒業して、頂点に立つ真の実力者となるに違いない。

「最近ずっと2位だったので、1位になりたいと思うんですけども、ただ1位になりたいという思いだけでは1位になれないので、1位になるにはどうするのかを考えていきたいです」

 五輪という大会に最後まで特別な思いは感じなかったという宇野は、次なる北京五輪に向けても、自分なりの目指すテーマを掲げてスケートに取り組んでいくことになりそうだ。

◆熱狂する観衆、クールな羽生結弦。完璧な王者がリンクに帰ってきた>>

◆10個を超えて過去最高へ。平昌五輪のメダル数を冷静に予想してみた>>

■平昌五輪 記事一覧>>

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る