フィギュア団体で見えたライバルの好調。
宮原・坂本のメダル戦略は?

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by JMPA(Noto Sunao)

 不安なスタートとなった日本勢2人に比べ、他国のライバル選手たちは好調だ。

 SPとフリーの2種目に出場したイタリアのカロリーナ・コストナーは、31歳にして世界トップクラスであることを証明する滑りを披露。フリーでは後半のジャンプで失敗が続き134.00点の4位だったが、SPは自己記録にあと3.20点まで迫る75.10点で2位に入った。

 カナダ勢でSPに出場したケイトリン・オズモンドは、最初の連続ジャンプで回転不足を取られるなどのミスはあったものの、演技構成点では38.28点を獲得して71・38点の3位。2015年にカナダ選手権の覇者となったガブリエル・デールマンも、フリーで137.14点を出して3位と調子を上げてきている。
 
 アメリカのフリーに出場した長洲未来は、トリプルアクセルを決めただけではなく、これまでに多かった"他のジャンプが回転不足になる"という欠点を修正。ノーミスの演技で、自己記録を5点以上更新する137.53点を出して2位につけた。

 そして、ロシア勢の"Wエース"は相変わらずの強さを見せつけた。

 今年1月のヨーロッパ選手権で、右足甲の亀裂骨折から復帰したエフゲニア・メドベデワはSPに出場。コンディションが心配されたが、少し不得手にしているダブルアクセル以外はGOE加点で2点と3点を並べる完璧な演技を披露し、昨季の国別対抗戦で出したSPの歴代最高得点を0.21点上回る81.05点で1位となった。

 また、フリーに出場したアリーナ・ザギトワは、ジャンプをすべて後半に入れているプログラムをノーミスで滑り切った。メドベデワ同様に、今年1月のヨーロッパ選手権で記録した自己ベストを0.11点上回る158.08点は、2位の長洲に20点以上の差をつけての圧倒的な1位だ。

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