フィギュア団体で見えたライバルの好調。宮原・坂本のメダル戦略は? (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by JMPA(Noto Sunao)

 一方、12日のフリーに登場した坂本花織は、滑り出しから動きに硬さが見えた。

悔しい演技に終わった坂本花織にも、個人戦での巻き返しが期待される悔しい演技に終わった坂本花織にも、個人戦での巻き返しが期待される

 演技後に「四大陸も全日本も足が震えていたけど、今回はそれ以上に足が震えすぎてタイミングが合わなかった」と明かした坂本は、最初の連続ジャンプで「3回転フリップは今までにないような降り方をしていた」と、セカンドの3回転トーループを付けられなかった。結局、3回転フリップは回転不足も取られ、GOEでも減点されてしまう。

 その後のステップからは柔らかさを取り戻したようにも見えたが、本人は「失敗をした後は『落ち着いて!』と言い聞かせていた」と苦笑する。

「『最初のミスをどうリカバーするか』ばかりを考えていたので、緊張しっぱなしの4分間でした。でも、練習だったら転んでいただろう、後半の3回転フリップ+3回転トーループや、ダブルアクセル+3回転トーループは意地で耐えました。あんまり『五輪だ』という緊張感はないと思っていたんですけど、たぶん心の中にはあったんだと思います」

 通常の国際大会に比べると現地入りが早く、坂本は「まだ試合じゃない」という気持ちになっていたという。そのため、9日と10日は中野園子コーチとともに江陵を離れてソウルに行き、借りたリンクでみっちりと秘密特訓をしていた。

 しかし本番では精神的に追い詰められ、ジャンプで加点をもらう得意なパターンには持ち込めなかった。結果は、自己ベストを10点以上下回る131.91点で、フリーを滑った5人の中で最下位。それでも、「(ソウルでの)特訓がなかったらもっとひどかったと思う」という坂本は、「個人戦の前にもう1回特訓に行き、ガッツリ頑張ります」と意欲を見せた。

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