平昌五輪でぶっつけ本番。今こそ羽生結弦には私たちの声援が必要だ (2ページ目)

  • 宇都宮直子●文 text by Utsunomiya Naoko
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)


 平昌では団体戦をパスして、ぶっつけで本番を迎えると言われている。試合から離れていた分、緊張するかもしれない。

 でも、それでいいのだ。個人戦には究極の緊張が待っている。66年ぶりの、連覇の懸かる試合が、だ。

 私は思う。アクシデントは、これまでにもあった。そのたびに、羽生は乗り越えてきた。今度もきっと、そうなるに違いない。

 さて、これから、明るい話をしようと思う。エールを込めて、前向きな話を綴ろうと思う。都築章一郞コーチと、話をしてきた。

 羽生の容姿について話をしていたとき、都築が笑いながら言った。

「私も手足が長いなと思って、結弦に『長い』と言ったことがあるんです、そしたら......」

 羽生は、全力でそれを否定した。

「先生、違います。僕、苦労しているんですよ、手が短いから。いろんな場面で苦労しているんです」

 意外だった。羽生で「短い」なら、誰が長いのだ。ジェイソン・ブラウンか?

「いや、結弦は長いと思います。きれいに使うから、『お前は、長くていいな』と言ったんですが、本人は、短くて困っているらしいです」

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