坂本花織、四大陸フィギュア初Vが平昌五輪でメダル獲得への追い風に (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 坂本 清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 最初の3回転ルッツ+3回転トーループはルッツが回転不足を取られ、後半の3回転ループとダブルアクセルもGOE加点が0.90点、0.71点と低め。だが、スピンとステップはすべてレベル4にして、演技構成点もすべての項目で8点台中盤。71.74点でトップに立つ底力を見せた。

 ルッツに関しては「踏み切りと、トーをつくタイミングなどの微妙なところでよかったり悪かったりしていますが、フリーは回転不足のないプログラムにして自信につながるようにしたい」と意欲を口にしていた。

 2日後のフリーで勢いを見せたのは坂本だった。日本勢3人では一番早い21番滑走。スピードのある滑りから最初の3回転フリップ+3回転トーループをGOEが1.50点の出来にすると、続くダブルアクセルもきっちりと決め、これまでより大きな滑りでステップもこなした。

「全日本まではステップやスピンをけっこう練習していましたが、年明けからはそこまで練習をしていなかったので、それが出てしまったのは悔しい」と本人も言うように、スピンふたつはレベル3と取りこぼしたものの、後半に入ってもダブルアクセル+3回転トーループ+2回転トーループで1.50点の加点をもらうなど、ジャンプをしっかり決めるノーミスの演技を披露。試合前から、チームメイトの三原舞依と「やろう」と話していたガッツポーズも出た。

 結果は、SPに続き自己最高得点の142.87点。合計214.21点と、スケートアメリカ以来3試合連続の210点超えを果たした。坂本は「3回連続で出したら本物だと言っていましたが、それを実現できたのでちょっとだけ自分を褒めようかなと思います」と明るく笑う。

 次に登場した三原も、持ち前の伸びやかな滑りで逆転優勝もうかがわせたが、後半の3回転フリップがノットクリアエッジと判定され、終盤の3回転ルッツが回転不足になるミスで140.73点。合計210.57点と坂本の得点には届かなかった。

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