本田真凜はなぜシニアデビューで失速したのか。早くも迎えた正念場 (4ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha  能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「演技が自己満足、自己陶酔になると、なかなか相手に伝わらない。真凜はプログラムを自分流にしすぎて、自分よがりになってしまっていた。それと、やっぱりまずはちゃんと練習をやることを覚えてほしい。シニアで戦うような練習ではなかったので、結果としては当然だったと思うし、これが彼女の実力ですね。練習は嘘をつかないですから」

 厳しい言葉をズバズバと本田に投げかけた濱田コーチだが、それは彼女に豊かな才能があることを認めているからこそでもある。愛のムチであることは言うまでもない。それだけに本田自身が、姉弟子の宮原知子のように地味な練習をコツコツと積み重ねていくことができるようになれば、自然と底力がついてくるはずだ。

 秘めた素質を大きく花開かせるかどうかは、来季に向けた取り組みと本田自身の気持ちにかかってくることは間違いない。華やかではあるが器用貧乏な選手のままで終わるか、努力の天才となるか。本田にとってはシニア2年目となる来季が、スケート人生の正念場のシーズンになるかもしれない。

◆「逃げ道の先は行き止まりだよ」 本田望結が姉・真凜に伝えた言葉の真意

◆低迷する本田真凜の現在地。 「心と技術がぴたっとはまる」のはいつか


  

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