宮原知子、どん底から五輪へ。
「来年スケート、やめるの?」からの忍耐

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

SP2位からフリーで逆転し、全日本選手権4連覇を飾った宮原知子SP2位からフリーで逆転し、全日本選手権4連覇を飾った宮原知子 全日本フィギュアスケート選手権女子フリーは、宮原知子が渾身のパーフェクト演技を披露して、国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、自己ベストの147.16点をマーク。ショートプログラム(SP)2位から、合計220.39点を叩き出して大会4連覇を飾った。昨年12月に発症した左足股関節の疲労骨折という大ケガから見事な復活を果たし、初の五輪代表入りを決めた。

 SP首位の坂本花織は、フリーでは取りこぼしがあって4位に。合計213.51点の2位となり、全日本5度目の出場で初表彰台となった。3位に入ったのは、浅田真央以来となる、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)をSPとフリーで計3度跳んでみせたジュニアの紀平梨花。並みいる有力シニア勢を抑えて全日本初メダルを獲得した。

 今季のグランプリ(GP)シリーズ2大会連続で表彰台に立ち、五輪選考レースで優位に立っていた樋口新葉は、SPではダブルアクセル(2回転半ジャンプ)が1回転になる痛恨のミスで得点が伸びずに4位と出遅れた。22日の公式練習で足を痛めた影響が出たフリーでも、3回転サルコウが2回転になるなど、全体的に持ち味のスピードを発揮できずに138.92点の5位に沈んだ。合計でも206.96点と振るわず、総合4位で表彰台を逃した。

 SP7位だった昨季の四大陸女王・三原舞依は、ノーミス演技のフリーで3位に食い込んだが、合計204.67点で総合5位に終わった。またSP3位の本郷理華は、フリーではジャンプの転倒があり総合6位に、前ジュニア世界女王で注目度が高かった本田真凜は、SP6位、フリー9位と力を発揮できずに合計193.37点で総合7位だった。

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