女子フィギュア五輪代表争いが激烈に。
坂本花織はノーミスに自信あり

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 2枚の平昌五輪代表切符を争うフィギュアスケート全日本選手権、12月21日の女子ショートプログラム(SP)はしびれる戦いとなった。

 ミスが許されないSPでトップ7選手がしのぎを削ったなかで、この日ただひとり、ほぼノーミスの演技を披露した坂本花織が、国際スケート連盟(ISU)が公認する自己ベスト(69.40点)を大幅に上回る73.59点で首位に立った。2位には、冒頭のルッツ+トーループの連続3回転ジャンプで2つのジャンプが回転不足を取られたものの、首位とわずか0.36点差の73.23点をマークした宮原知子がつけた。

全日本選手権の女子ショートプログラムで首位に立った坂本花織全日本選手権の女子ショートプログラムで首位に立った坂本花織 3回転ルッツでエッジ警告がついたが、大きなミスはなかった本郷理華が70.48点で3位。冒頭の2回転アクセルが、回転が抜けて1回転になるミスにより無得点となった樋口新葉は68.93点の4位にとどまる。

 中盤の3回転ループでステップアウトしてバランスを崩し、手をついた本田真凜は得点が伸びずに66.65点の6位。緊張からか、いつものスピードが出ずに2回転アクセルで転倒した三原舞依が64.27点で7位と沈んだ。白岩優奈もジャンプミスとスピンでレベルの取りこぼしがあって63.33点の8位だった。

 代表選考レースで優位に立っていた宮原が2位、樋口は4位。それに対して今季数多くの試合に出場して力をつけて、2位となったスケートアメリカで自信も増したという坂本がトップに立ったことで、女子の五輪代表争いは、にわかに混戦の様相を呈してきたと言っていいだろう。

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