五輪をめぐる女子7人の激闘。全日本フィギュアはどうなってしまうのか (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 その樋口を猛追しているのが、昨季後半戦を左足股関節の疲労骨折で棒に振り、今季GP第4戦のNHK杯で11カ月ぶりに競技会に復帰した宮原知子だ。ケガの回復具合が心配されたが、焦らず、じっくりと治療とリハビリに取り組んできたことで、驚異的な復活劇を見せている。

 NHK杯の結果は5位だったが、内容的には復調の明るい兆しが見られ、GP2戦目となったスケートアメリカでは並みいる強豪を退けて優勝を飾る。さらにGPファイナルに補欠1位で繰り上がり出場を果たすなど、わずか1カ月の間に予想以上の結果を残した。

 4連覇が懸かる全日本女王は「元気に来ました! 今季はケガもあったけど、すごく順調にここまでこられているので、ケガをしている間に頑張ったものをしっかりと見せたい気持ちが強いです。(最近は)特に練習をセーブすることなく、プログラムを通す練習をたくさんしてきたので、しっかりと結果を出したい」と、4年前はわずかの差で逃した五輪切符を狙う。
 
 樋口と宮原が一歩リードしているのは間違いないが、この全日本で優勝すれば五輪切符を手に入れることができるため、一発勝負を狙う他の選手も諦める必要はない。

 昨季の四大陸選手権女王の三原舞依は、今季のGP大会で惜しい戦いを重ねてきただけに、この全日本で是が非でも巻き返したいところだろう。

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