宮原知子、樋口新葉がノーミス演技の応酬も、
目標はあくまで「五輪」

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「本番でうまくコントロールできたというか、極度な緊張なしにしっかりと(ジャンプを)踏み切れたのがよかったと思いますし、(前戦の)スケートアメリカよりもジャンプがよく、点数も伸びました。自分が完璧な演技をすれば70点以上を出せることがわかりましたし、70点台を出せてよかったです。SPがよかったので、フリーはもっといい演技をして、しっかりと気持ちを切り替えて、失敗しないようにしたいです」

 急遽、出場することになったファイナルだが、ケガからの復帰シーズンを戦っている19歳は、予想をはるかに超える復調ぶりを見せた。今季3戦目にして「だんだん試合勘が戻ってきた」と言う。平昌五輪代表切符獲得という大きな目標を抱えている宮原。フリーでも「ミス・パーフェクト」らしい演技を披露すれば、表彰台の中央を狙える位置につけた。

 続く2番滑走の樋口も高得点を引き出した。演技後半に跳ぶ3回転ルッツ+3回転トーループに出来栄え点で1点の加点がつき、3回転フリップでは踏み切りで軽度の違反があったものの、スピンとステップはともに最高のレベル4が並んだ。

「全日本選手権に向けて自信をつけるための試合」とこの大会を位置づけている樋口。ノーミス演技を披露したが、演技後に笑顔を見せることはなく、神妙な表情のまま。ようやく少し笑顔をのぞかせたのはキス&クライでのことだった。

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