宇野昌磨は2位に後悔なし。羽生不在のGPファイナルで収穫ザクザク (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 前日のSPでタイムオーバーの減点がなかったら、と指摘されても、それは曲を編曲して少し長くなったことが原因ではなく、「いつもは動き出しが遅いのにあの時だけは音に反応して早く動き出してしまった自分が悪く、編曲が理由ではない」と言い切る。

「僕自身、一刻も早く仕上げたいとシーズン前から思っていましたが、最初のロンバルディアトロフィーがよかったのは本当に運がよくて、たまたまうまくいっただけ。それ以来、ずっとうまくいかず、やっと満足いく練習ができて臨めたのがこの試合でした。それでも1、2週間やっただけのことなので、それでは補えないものがあるというのを、この大会を通して思いました。でも、大会を振り返れば本当にいろんな収穫があったと思う。2位という結果でみなさんは残念だったねという気持ちかもしれないですが、僕としては満足しています。結果に関しても、これが今の僕の結果だと思います」

 宇野にとって初優勝の大きなチャンスだった今回のGPファイナルだが、この先には全日本選手権もある。優勝したチェンも、2週間後には平昌五輪代表を決める全米選手権が控えている。選手がそこに照準を合わせていることで、いつもよりピリピリ感が希薄になっていた部分もあったかもしれない。

「今回はショートの時は失敗で笑顔が出たけど、そうではなくてちゃんと演技中に心の中から楽しめているというのを実感するような演技をしたいので、これから全日本選手権へ向けてしっかり練習に取り組んでいきたいと思います」

 宇野は、0.5点差での敗戦についてはこう言う。

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