帰ってきた「ミス・パーフェクト」。
宮原知子は全日本にピタリと照準

  • 辛仁夏●構成 text by Synn Yinha photo by AP/AFLO

 3回転ルッツ+3回転トーループや2回転アクセル+3回転トーループの連続ジャンプを含めて、力強いジャンプを次々と決めて勢いづいた。芯の強い女性を表現するプログラムをしっかりと自分のものにして、見せ場のステップでは手拍子をもらいながら強弱をつけた演技で観客を魅了。ひと蹴りの滑りにも力強さが見られた。

 今年夏のアイスショーでは本人も「ボロボロだった」というほどの状態で、今季の戦いに間に合うのか心配されたが、この日の演技でそれが杞憂(きゆう)だったことがわかった。課題の回転不足もなく、GOE(出来栄え)の加点も1点以上をいくつも引き出した。まさに、「ミス・パーフェクト」の本領を発揮してのノーミス演技で、自己ベストに迫る143.31点の高得点を出して、こちらも目標点数をクリアしてみせた。今後のさらなる復調に大いに期待できる演技だった。

「まさか優勝できるとは思っていなかったので、ここまでいい演技ができて本当によかったです。少し回転が足りないなと思ったジャンプがありましたけど、いまできることはしっかりできました。練習でやってきたことはちゃんとやろうと思って滑りました。自分が目指している演技や内容としてはまだまだですけど、点数的に目標を達成できたので、これからもっともっと伸ばしていけるように頑張りたいです。

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