帰ってきた「ミス・パーフェクト」。宮原知子は全日本にピタリと照準 (2ページ目)

  • 辛仁夏●構成 text by Synn Yinha photo by AP/AFLO

 復帰2戦目となるスケートアメリカでは、ノーミスの演技が必須だった。勝負の行方はいかにミスなく演技できるかどうかにかかっていたし、どこまでジャッジが評価してくれるのかも知る必要があった。

 SPの『SAYURI』では冒頭の3回転ルッツ+3回転トーループの連続ジャンプで2本目がステップアウトしたが、回転不足は取られなかった。ジャンプに力強さが戻っていて、メリハリのある演技を披露。目標に掲げていた70点台をただ1人マークする70.72点を叩き出した。

 キス&クライでは両手でハートマークを作って笑顔を見せた宮原は「NHK杯と比べてよかった部分と、そうでなかった部分があって、複雑な気持ちですけど、点数は伸ばすことができたので嬉しかったです。NHK杯よりは調子が上がってきていたので、絶対にいい演技をするという気持ちで臨みました。今回は順位よりも、とにかくここまで段階的に上げてきたことをしっかり出すことが目標です」と語った。失いかけていた自信が少しずつ心に満ちてきているようだ。

 SP首位で迎えたフリー『蝶々夫人』は、さらに復活ぶりが際立つ演技だった。

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