佐藤信夫氏・久美子氏(元浅田真央コーチ)に聞く「復帰から現役引退まで」 (2ページ目)

  • 辛仁夏●構成 text by Synn Yinha  岸本勉●写真 photo by Kishimoto Tsutomu

信夫 今は、練習の映像を撮ってすぐに見ることができる機器を使って練習に生かしている人たちもいます。そんな最先端のシステムの中で育ってきている若い選手たちに対しては、浅田真央でさえもついていくのはやはり大変なんです。10歳違ったら、それはもうまるで違いますから。

久美子 体のケアの部分でいうと、パワーをつけるトレーニングというより、ケガや故障をなくすためのトレーニングという発想が出てきたのも最近のことです。(荒川)静香ちゃんも真央ちゃんも、日本人としてはあれだけの上背があると、ジャンプのときにかなりの負荷がかかります。そういう部分をしっかりケアしなければ、やはり故障につながります。結果的にケガをしたということは、どこかで何かが足りなかったのかもしれません。

――おふたりがこれまで指導されてきたトップ選手たちもそれぞれ個性があったと思います。真央さんはどうだったでしょうか。

信夫 みんなそれぞれ個性があるから、多くの人たちの記憶に残るスケーターになっていったと思うんです。それぞれの選手の個性をその方向にうまく導いていくことができたということは、本当にこの仕事をやってよかったなと思うところです。

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