本田真凜、樋口新葉、三原舞依。
女子高生トリオの五輪争いはさらに激化

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 五輪シーズンに作った樋口のプログラムは、SP『ジプシーダンス』とフリーが『007スカイフォール』。この2つのプログラムは彼女のよさを十分に発揮できており、滑るたびに魅力が増している。中国杯ではSP、フリーともに、昨季、そしてGP1戦目よりも成長している姿を見せ、高得点を叩き出した。70.53点のSPも141.99点のフリーもトップとの差はわずかで、細かい取りこぼしがなくなれば逆転できるだけの伸びしろがあることがわかった。

 SPでは3回転フリップに「!」(エッジ警告のアテンションマーク)がつき、ステップとスピン1つがレベル3だった。また、フリーでもステップがレベル3と認定されたのに加え、ジャンプのGOE加点の付き方がザギトワに比べると総じて低かった。こうした部分の技術の向上と振り付けの工夫を図れば、出来栄えの点数が増えるはず。まだ出場が決まってはいないがGPファイナル、そして全日本選手権までの間にさらにプログラムに磨きをかけたいところだ。

「とにかく毎回の試合で全力を尽くすつもりで全日本まで戦って、オリンピックに行けたらいいなと思います」

 持ち味のスピードあふれるスケーティングとともに、勢いのある演技がはまってきた樋口の活躍に期待が高まる。

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