宇野昌磨は「疲れていても300点超」。体力強化の分は全部伸びしろ (2ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)


「今日はもう疲れていましたね(笑)。全然滑らないなと思っていました。体が疲れている状態で自分なりの演技ができたので、ここでできなかったものに関しては試合が悪かったのではなくて、これまでの練習で、まだまだ仕上がっていない状態だからです。

 本番のリンクに立ったとき、きついのはわかっていたので全力を出そうと思いました。明日は試合がないので全力を出して、ここで死ぬつもりで頑張って耐えようという気持ちで、全部(のジャンプを)耐えましたね。やりたいことはできたかなと思いますが、全然動かないし、全然滑らなくて、ずっと自分の足に動けーと言い続けていました」

 この日の疲れの原因は、前日のSPでアドレナリンを出しすぎて、体を動かしすぎたことが原因かもしれない。いつも以上のパワーとエネルギーを放出してしまい、そのダメージが疲れを誘発して、フリー演技に影響を及ぼしたのではないだろうか。ただ、滑り始めて疲れを感じ取った19歳は、それでも大きく崩れることなく、しっかりと演技をまとめる底力を発揮してみせた。

「いつもの練習でこのような(疲労を感じる)ことがあったら途中で止めていたこともあり、今回(初めて)演技のきつさを感じました。まだまだ(プログラムやコンディションが)仕上がっていない証拠かなと思いました」

 GP初戦となった今大会では、SP103.62点、フリー197.48点、合計301.10点をたたき出した。国際スケート連盟(ISU)公認大会でみると、SPでは昨季の四大陸選手権以降、今大会まで5試合連続で100点超えの得点をマークしている。合計点では昨季の世界選手権以降、4試合連続で300点超えを記録し、自他ともに認める実力者になったと言っても過言ではないだろう。

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