まさかのSP出遅れ、本田真凜のミスを分析。フリーで巻き返しなるか (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 このプログラム自体は、「本人が運命的な出会いだった」と言うように、雄大さや伸びやかさがあり、彼女のしなやかな動きの魅力をより引き出せる曲だ。完成させれば素晴らしいプログラムになるはずと期待させてくれる。

 だが、曲調に変化が少ないため、音をキッカケにして気持ちを切り換えられる場面があまりないという短所もある。今回は、そこが悪い方向に出てしまったといえる。また、SPの曲を変更すると表明したのが8月末で、そこから振り付けを始めたということを考えれば、滑り込みの足りなさがこの結果につながったともいえるだろう。

「このプログラムは今までのなかでも一番気に入っているものですし、今日の試合でもジャンプは抜きにして、滑っていて本当にいいプログラムにしたいなというか、完璧な演技をこのプログラムでしたいなと思いました。伸びしろがたくさんあるプログラムなので、この結果が頑張るキッカケになればいいなと思います。次の試合は1週間後の中国杯で、時間はないですが、直すところはわかっているので、それをしっかり考えていきたい」

 こう話す本田は、翌日のフリーに向けては「ショートで大きく出遅れてのフリーというのは本当に久しぶりで、どういう演技をするべきか、どうすればいいかというのはぜんぜんわからないですけど、自分の期待以上の演技ができるように、今日のことは明日の試合が終わるまで忘れたいと思います」と気持ちの切り替えを図っていた。

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