鈴木明子が占う平昌五輪の女子2枠争い。選手はムチャクチャ大変です (4ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • 能登直●写真 photo by Noto Sunao(a presto)

――グランプリシリーズ第1戦ロシア大会では、3位の樋口選手に続き、坂本花織選手が5位に入りました。

鈴木 坂本選手はジュニアから上がってきたばかりですが、ジャンプがすごく大きくて、跳んだだけで「おおーっ」と観客をうならせることができます。ロシアの選手はテクニックで跳んでいるように見えますが、坂本選手のジャンプにはパワーが感じられます。表現においてまだまだ粗削りな部分はありますが、楽しみな存在です。

――代表選考のかかった全日本選手権は、いつもとは違った緊張感があるのでしょうね。

鈴木 いつもの全日本選手権とオリンピック出場権のかかった全日本では、まったく違います。マスコミもものすごく騒ぎ立てるじゃないですか。だからこそ、4年に一度、オリンピックの年の全日本はものすごくいい戦いになっています。それだけ研ぎ澄まされた戦いになるので、見ている側からすると本当に面白い。選手はムチャクチャ大変ですが。

 私は4年前の全日本選手権で初優勝し、オリンピック出場権を獲得しました。大会の前に、「これだけ練習をやってきたから、あとは自分ができることをやるしかない」という境地にたどり着き、オリンピックに出ることができました。

 全員がとことんまで練習してきて、最後に迎える全日本選手権なので、「あとは神のみぞ知る」というところまでいけるかどうか。試合までに自分をどれだけ追い込めるかが勝負の分かれ目になると思います。

 代表争いがこれだけ熾烈なのは、ロシアと日本ぐらい。誰が日本代表としてオリンピックに出てくるか、世界中が注目しています。

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