鈴木明子が占う平昌五輪の女子2枠争い。選手はムチャクチャ大変です (3ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro
  • 能登直●写真 photo by Noto Sunao(a presto)

――混戦になると、三原選手、樋口選手に注目が集まりますね。

鈴木 三原選手も樋口選手もシニアは2年目なので、勢いもあるし、怖さも知っています。三原選手は、彼女に非常に合ったプログラムを用意していますし、一番、安定感があります。守りに入ることなく、自分ができることを出せれば、代表に近づくだろうと思います。

 樋口選手も、「らしさ」の出るプログラムをつくっています。もともと持っているスピード感、ハツラツとした感じが前面に出ています。ただ、崩れるときには大崩れする選手なので、好不調の波の幅をいかに小さくできるか。彼女も、オリンピックに近い選手であることは間違いありません。

――シニア1年目の本田選手はどうでしょうか?

鈴木 ジュニアから上がってきて、ジャパンオープンで自己ベストを更新してもまだほかの選手には届かない。でも、16歳なので、シーズン中の伸び幅がすごい。成功も失敗も、経験したことをすべて次につなげることができます。どこまで伸びるか未知数です。土壇場の集中力をどれだけ発揮できるかに注目しています。

――ほかに注目する選手は誰でしょうか。

鈴木 私は本郷理華選手には頑張ってほしい。昨シーズンよくなかった分、今シーズンは前向きに練習ができています。表現の粗削りな部分が少しずつ洗練されてきました。この4年間で成長した部分を全日本選手権に出してほしい。そうすればオリンピックへの道が開けるんじゃないかなと期待しています。彼女には、グランプリシリーズや世界選手権の経験があります。小さいころからずっと「オリンピックに行きたい」と言い続けてきて、その思いは誰よりも強いはず。その夢をかなえられるように。

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