GPロシア3位の樋口新葉は、
ライバルと自身の立ち位置を知っている

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「パンクをして点数にならないことを去年多く経験したことで、練習でもパンクをしないことを意識して、集中できているのかもしれないです。五輪シーズンなので、より一層そういう気持ちになっているとも思います。去年まではジャンプをあまり意識しないで跳んでいましたが、今年はどう跳ぶかということを意識してやっています。それが体に染み込んできているのだと思います」

次戦はファイナル進出をかけて中国大会に出場予定次戦はファイナル進出をかけて中国大会に出場予定 ただ、同時に今回の演技を振り返って「ほとんどのジャンプがまだ詰まっていてGOE(出来ばえ点)を稼げていなかった」と反省する。合計217.63点だったロンバルディアトロフィーより10点以上低いが、樋口はこの得点が「今の自分」と話す。

「ロンバルディアであの得点が出たのはすごくうれしかったけど、ショートもフリーも回転が足りないのではないかと感じていました。今回のように回転不足やアテンションがつく厳しい判定なら、点数はもっと下がっていたはず。(今回は)映像で見返してもわかるくらいの回転不足だったので、今回の試合がベースになると思います」

 日本女子の平昌五輪出場枠は「2」。その厳しい戦いに備えて、妥協するわけにはいかないと考えているのだろう。それは昨シーズン、苦しみながらも世界の大舞台を経験したことで得た感覚だ。

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