羽生結弦のライバルが選ぶ戦略。
ハビエルは表現力、チェンはジャンプ

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 新しいシーズンを迎えるにあたり、徹底的に強化してきたのはやはり4回転ジャンプだった。その証拠に、9月に行なわれたシーズン初戦のUSインターナショナルクラシック2017では、4回転ループを見事に成功させている。これでチェンは、アクセルジャンプを除くルッツ、フリップ、ループ、サルコウ、トーループの5種類の4回転ジャンプ全てを跳んだ最初の選手となった。

 今季のチェンは、これら5種類の4回転を武器に、難易度の高いジャンプ構成を追求して最強のプログラムを作ってくるに違いない。

 シーズン初戦ではSPでプログラム後半に4回転フリップ+2回転トーループを決めてみせ、フリーでは冒頭に4回転ループと4回転ルッツを跳んだ。そして第2戦のジャパンオープン(フリー)では、冒頭の4回転ループから4回転フリップ、4回転ルッツ+2回転トーループ、そしてプログラム後半に4回転トーループを跳んでみせた。

 シーズン序盤の2戦のフリーで、試合本番前に提出するジャンプ構成を比較して見てみよう。

 1戦目は4回転ルッツ+3回転トーループ→4回転ループ→4回転フリップ→4回転トーループ+2回転ループ+3回転フリップ→4回転サルコウという、4回転5種類5本のプランだった。それが2戦目では、4回転ループ→4回転フリップ+3回転トーループ→4回転トーループ+2回転トーループ+2回転ループ→4回転サルコウという、4回転4種類4本のジャンプ構成を組み立てている。

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