佐藤信夫氏・久美子氏(元浅田真央コーチ)に聞く「喜びと苦しみの日々」 (4ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

――トップレベルの人が持つ吸収力でしょうか。

信夫 そうです。それが能力だと思います。

 バンクーバーからソチまでの4年間。浅田と佐藤信夫コーチ、久美子コーチは、忍耐強くジャンプの修正やスケーティングスピードの向上などに取り組んできた。最終目標に掲げていたのは、フリープログラムで6種類すべての3回転ジャンプを跳ぶというチャレンジ。ソチ五輪では、ショートプログラムで16位と大きく出遅れたものの、フリーでは6種類の3回転を8回跳んでみせ、記憶に残る演技を見せた。

 佐藤信夫コーチは、ショートプログラムの結果に放心状態だった浅田に「頑張ろうと思えば頑張れる。何かあったら先生が助けに行くから」と激励。「練習をきちっと全部やってきた。できない理由はないし、できない理由が見つからない。できて当たり前なんだよ」と、背中を押した。フリーの演技が終わると「全体を通してよかったんじゃないか。お疲れ様。頑張ったね」と浅田を労(ねぎら)った。記者の質問には「まだまだ教えてあげたいことがたくさんあるんです」とも答えていた。
(後編へつづく)

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