昨季のシンデレラ・三原舞依は、大人への階段をコツコツと登っている (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 それに加え、今シーズンに取り組んでいる"大幅なイメージチェンジ"という課題も、プレッシャーがかかる要因のひとつになったに違いない。シニア1年目で感じたトップスケーターたちとの差は表現力。ショートプログラム(SP)の『リベルタンゴ』は、その差を埋めるための"大人"な新プログラムだ。

『リベルタンゴ』を初披露した7月のドリーム・オン・アイスでは、ノーミスで演じきって手応えを感じていたが、オータムクラシック初日のSPは序盤でつまずきかけるなど、全体的に少しメリハリのない滑りになった。後半ふたつ目のジャンプだった3回転フリップは、少し跳び急ぐような形になってロングエッジで減点となり、ステップもレベル4を獲得できなかった。演技構成点も、各項目で7.70点から8.15点(10点満点)と伸びず、66・18点にとどまった。

「練習の時も、ノーミスで滑れてはいたんですが、体力がないので最後のステップからスピンでバテてしまうことがよくありました。今日も最後のステップでそれが出てしまいましたね」

 新SPは、昨シーズンまでのSP『序奏とロンド・カプリチオーソ』に比べて動きが激しく、メリハリをつけることも必要になっている。体力面を含め、滑りやすさを感じているというフリープログラムよりも、仕上げるまでに時間がかかりそうだ。

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