本田真凜ら日本勢を迎え撃つ、ロシアの女子フィギュアが、おそロシア (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao


 メドベデワの1年先輩にあたるアンナ・ポゴリラヤも、昨季のGPファイナルで3位、ヨーロッパ選手権で2位に入った実力のある選手だ。世界選手権フリーではミスを連発し、13位に落ちて号泣する場面もあったが、今年のアイスショーでは貫禄さえ感じられる演技を見せていた。

 まだ19歳だが、技術が高く伸びのある滑りは世界トップクラスで、ベテランの雰囲気を漂わせる選手。昨季のGPファイナルでは216.47点を出していたが、その演技をさらに熟成させられれば得点はまだ伸びる。世界選手権の雪辱を果たす気持ちも強いだけに、今季に大躍進が期待できるひとりだ。

 また、シニア初シーズンながら昨年のGPファイナルに進出し、世界選手権にも出場したマリア・ソツコワも、上位に食い込むポテンシャルを持っている。昨季のGPファイナルは190点台の得点で5位にとどまり、世界選手権では8位と、大舞台ではあまり目立たなかった。しかし、ロシア選手権ではSPでノーミスの演技を披露し、メドベデワに次ぐ2位につけると、フリーもノーミスで演じきった。演技構成点はすべての項目で9点台を出し、トータル219.90点で3位になっている。

 そのロシア選手権で、ソツコワを1.31点上回って2位になったのは、まだジュニアの選手だったアリーナ・ザギトワだった。昨季はジュニアGPデビューシーズンながら、初戦で優勝。2戦目となったリュブリヤナ杯でもSPで1位につけていたが、フリーでは、ひとつ前に滑った紀平梨花がトリプルアクセルを決めて力んだのか、中盤のジャンプで回転不足を連発して本田真凜にも逆転を許し、3位にとどまった。

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